ギル・エヴァンス アウト・オブ・ザ・クール

ギル・エヴァンスは、モダン・ジャズの作曲家・アレンジャー・ピアニスト・ビッグバンドリーダーです。
特に、編曲家としての才能は高く評価されていて、編曲や音楽理論の面でモダン・ジャズの発展に大きく貢献しました。
ジャズは第2次世界大戦後になって音楽的に大きく進化しましたが、その理論面での立役者のひとりが、ギル・エヴァンスであるとも言われています。
自分のジャズ・ビッグ・バンドを率いて制作されたこのアルバム「アウト・オブ・ザ・クール」は、その代表的なアルバムです。
それまでのビッグ・バンドというと、ベニー・グッドマンにしてもカウント・ベイシーにしても、大変にエンターテイメント性の強い音楽で、アメリカ人の娯楽音楽という感じのものが主流でした。
しかしこのアルバムでは、ビッグバンドは、まるで小編成のアンサンブルのように、緻密にスコアが書き込まれています。
また、サウンドも大変に進化していて、それまでのビッグバンド・ジャズでは使われなかった和音がたくさん出てきます。
また、長調でも単調でもない曲が飛び出してきます。これはモードといわれる作曲方法で、以降のジャズに新しい流れを起こしました。
アルバム1曲目の「LA NEVADA」は、ピアノとドラムだけのイントロから始まり、それがしだいにモードを決定づけ、そしてビッグバンドのソリッドなアンサンブルへと展開していきます。
この聴いたこともないような音に驚かされ、そしてとても感動しました。私が思っていたビッグバンド・ジャズのイメージが180度変わってしまった、すばらしくモダンなアルバムでした。