宮部みゆき作『レベル7』

文章が回りくどいという人もいますが、私は宮部みゆきさんの小説は長くても読みやすいため一気に読めてしまいます。『レベル7』も長編ですが、2日ほどで読了しました。

この小説は、「レベル7まで行ったら戻れない?」という言葉を残し失踪した少女と、記憶をなくした1組の男女の謎が同時に進行していきます。全く接点がなさそうなこの謎が交差して物語は一気に加速し、思いがけない収束が待っています。序盤は二つの出来事が全く絡まず謎だらけで展開が読めないのですが、終盤からとてもスリリングでハラハラする場面もありました。

このミステリーは一見とっつきにくそうですが、小難しい事がないため小説が苦手という方にもおすすめできます。また、独特な言い回しもないため、万人にウケる小説でしょう。

宮部さんは普通の暮らしをしている人が犯罪に巻き込まれていく過程を書くのが上手だと思います。刑事さんも一応出てきますが、主人公は一般人で特別な捜査をしないのにちゃんと核心に近づいて、周りの強力も得ながら事件を解決します。それをちゃんと段階的に書いているので、読者に疑問を残しません。また、社会的な問題も上手く絡めているのでより真実味のある事件として物語に入っていけます。

宮部さんの現代ミステリー小説はベタっとした人物描写をしませんが、読んでいるといつの間にか登場人物の心情に寄り添ってしまいます。しかしラストはさっぱりしているので、読み応えがありながら深々と考えなくて良い本を読みたいときにおすすめです。