『バッタを倒しにアフリカへ』で学者さんへの認識が変わった話

農学博士で昆虫学者。

なんともロマンのある肩書きですが、そんな人が書いたエッセイと言われると思わず「え…なんか堅そう」「意味不明な化学式とか、マニアックな話ばっかりしてそう」と身構えてしまう人も多いと思います。

私もSNSで「この本が面白い」という感想をちょこちょこ見かけてはいたのですが、『農学博士、昆虫学者』と書かれた作者の経歴を見てそっとプラウザを閉じていました。

そんな時、本屋で平積されている実物を見かけたのです。

なんと、表紙には緑色のマント?民族衣装?の様な物を着た男性が虫取り網を構えている中々ショッキングなもの。

(作者…学者さんでしょ…こんなギャグっぽい表紙にされて怒らないんだ…)

怖いもの見たさで、手に取りパラパラとページを捲ると…。

(著者?!この変な恰好してる人が!?)

そう、ご本人だったのです。

しかも、本文中の写真にも全身緑タイツでバッタに向かって手を広げている様子などおおよそ一般的な学者さんのイメージとはかけ離れた著者の写真がいっぱい。

コレは、ちょっと読んでみたいと購入し通勤時間のお供にしてみました。

話は、著者の前野浩太郎が日本を旅立ちアフリカに向かう所から始まります。

想像通り、学者一筋で生きていける程の仕事も賃金も一握りの人の分しか用意されていません。その少ない椅子をかけて研究実績を作る為、実際にバッタの食害が発生している地域に研究に旅立つ事になったのです。

しかし、「さぁ、研究にいそしもう!!」と降り立ったモーリタニアで目にしたのはバッタ不作の当たり年、飛び交う不慣れなフランス語、公然とまかり通る賄賂や、物資の不足。外国人の自分と、なんか距離のある他の職員達の入り乱れるカオスな世界。

それでも、著者は持前のコミュニケーション能力と明るさで問題を自分なりに解決していきます。

けれど、それは全然偉そうでも自分を称賛する様な書き方でもありません。

寧ろ、プッと吹き出したくなる様な面白い文体とエピソードだらけ。

日本人の海外生活エッセイとして見ても面白い事請け合いです。

この機会に、学者さんへのイメージをポジティブなものに変えてみませんか?