「マイルス・デイビス / プラグド・ニッケル」

マイルス・デイビスが、生涯でもっとも白熱した演奏をしたライブを記録したのが、このアルバムです。
発売当時は2枚に分けられて発表されたのですが、現在では1枚のCDにまとめられたものや、このライブハウスで数日間にわたって行われたこのライブをすべて収録した7枚組ボックスなども発売されています。
演奏の白熱具合は驚異的です。ジャズのレコードで1000万枚以上売れた名盤「カインド・オブ・ブルー」に収録されていた「So What」も演奏されていますが、ここでの演奏はテンポがその場合以上速く240を超えていて、通常のメトロノームでは測れない速さです。
ハードロックの名曲「ハイウェイ・スター」ですらテンポ150ほどである事を考えると、これは驚異ではないでしょうか。
そして、スタジオで丹念に作り込まれたアルバムとは違い、演奏の破壊力が凄いです。このスピード自体がすでに超絶技巧とよんで問題ないほどだと思ってしまいますが、その中で全員が次々にすばらしいアドリブをしていきます。
また、アドリブであるはずなのに、ドラムのトニー・ウイリアムスとベースのロン・カーター(どちらも有名なジャズプレイヤーです)が一緒にいきなりテンポを半分にしたりして、単純にコード進行の上でメロディや和音を作るだけでなく、自由自在です。
ジャズというと、大人のBGMというイメージもあるかもしれませんが、これはロックよりも熱くハードな音楽でした。